酢酸菌って何?

酢酸菌って何?
アレルギー症状

お酢づくりに欠かせない
酢酸菌に発見された効果

お酢はマヨネーズの味を左右する重要な原料の一つで、アルコールを発酵させることでつくられます。その工程に欠かせないのが「酢酸菌」です。酢酸菌は、アルコールを酢(酢酸)に変える働きを持つ菌で、発酵食品であるお酢づくりには欠かせません。

通常、アルコールには強い殺菌作用があり、多くの菌はその中で生きることができません。しかし酢酸菌は、アルコールという過酷な環境の中でも生き延び、アルコールを栄養源として取り込み、酢酸へと変えていくという特異な性質を持っています。

こうした酢酸菌の働きは、発酵食品の仕組みを理解する上でも重要であり、マヨネーズの品質やおいしさにも深く関わっています。そのため、マヨネーズを製造するキユーピーでは、長年にわたって酢酸菌の研究を続けてきました。

その研究の中で発見されたのが、酢酸菌にはアレルギー症状を改善する効果があるということです。ヒトを対象とした試験では、酢酸菌を摂取することで、花粉やホコリ、ハウスダストによって引き起こされる症状が軽減されることが確認されています。具体的には、鼻の不快感や鼻をかむ回数、くしゃみの回数といった症状の改善が見られました。しかも、アレルギー対策として広く知られている乳酸菌と比べて、酢酸菌の効果は約10倍(※)にもなると報告されています。

(※)酢酸菌を一般的な乳酸菌と比べた時の力価

発酵食品の研究の中で発見された酢酸菌​
キユーピー株式会社 奥山洋平
この記事を監修してくれたのは…

キユーピー株式会社
奥山洋平

2001年東京大学大学院 農学生命科学研究科 修士課程修了。
キユーピー株式会社入社後、研究所を中心に、経営企画部、マーケティング部、知的財産部を経て現職(免疫・認知プロジェクト 次長)。2012年社内ビジネスコンペでのテーマ選出を契機に、酢酸菌事業化プロジェクトのリーダーに従事。