酢酸菌にアレルギー改善効果が
ある理由

酢酸菌にアレルギー改善効果がある理由
アレルギー症状

2つのスイッチを同時に働かせる
酢酸菌の力

人の免疫細胞には、アレルギー反応を抑制するための2つのスイッチ「大抑制スイッチ」と「小抑制スイッチ」が備わっています。これらは、片方だけが働いていてもある程度の抑制効果はありますが、重度のアレルギー症状を改善するには、両方のスイッチを同時に稼働させることが必要だと考えられています。

一般的にアレルギー改善効果があると知られている乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌などは、「小抑制スイッチ」には働きかけられるものの、「大抑制スイッチ」までは働きかけられないことが研究により明らかになっています。そのため、乳酸菌などこれらの菌を摂取しても、軽度のアレルギー症状には一定の効果がありつつも、重度のアレルギー症状には十分に効果を発揮できない場合もあるのです。

一方、お酢由来の酢酸菌は、「小抑制スイッチ」と「大抑制スイッチ」の両方を同時に稼働させられることが確認されています。さらにキユーピーの研究では、酢酸菌は乳酸菌と比べて約10倍(※1)のアレルギー改善効果を示したという結果も得られました。

酢酸菌のアレルギー効果は、
乳酸菌の10倍!※1

酢酸菌のアレルギー効果は、乳酸菌の10倍!
IL-12p40を指標としたマクロファージ細胞試験
酢酸菌(1μg/mL)、乳酸菌(1μg/mL)
木村ら、酢酸菌(Gluconacetobacter hansenii GK-1)のTLR反応性と乳酸菌との抗アレルギー相乗効果,2019を一部改編

このような高い効果の背景には、酢酸菌と乳酸菌の構造的な違いがあります。菌の細胞構造が異なることで、免疫細胞に対する刺激や作用の仕方が違い、乳酸菌では届かない「大抑制スイッチ」にまで酢酸菌は働きかけることができるのです。

酢酸菌と乳酸菌の相乗効果で、
さらに高まるアレルギー対策力

さらに、酢酸菌と乳酸菌を組み合わせて摂取することで、アレルギー改善効果が約2倍(※1)に高まるという相乗効果も、キユーピーの研究で明らかになっています。乳酸菌が「小抑制スイッチ」に、酢酸菌が「小抑制スイッチ」と「大抑制スイッチ」の両方に作用することで、それぞれの働きが補い合い、より高いアレルギー抑制効果が期待できるのです。

酢酸菌と乳酸菌を同時に摂ると、
さらに約2倍のアレルギー効果!※1

酢酸菌と乳酸菌を同時に摂ると、さらに約2倍のアレルギー効果!
IL-12p40を指標としたマクロファージ細胞試験
酢酸菌(0.01μg/mL),乳酸菌(0.06μg/mL),併用(酢酸菌0.01μg/mL, 乳酸菌0.06μg/mL)
木村ら、酢酸菌(Gluconacetobacter hansenii GK-1)のTLR4 反応性と乳酸菌との抗アレルギー相乗効果,2019を一部改編

また、酢酸菌は、発酵食品に使われる菌の中で唯一(※2)、「小抑制スイッチ」と「大抑制スイッチ」の両方を同時に稼働させられる菌としても注目されています。これまでの菌では対応が難しかった、重度のアレルギー症状にも有効な可能性があることから、新たなアレルギー対策素材としての期待が高まっています。

(※1)酢酸菌を一般的な乳酸菌と比べた時の力価
(※2)大量生産でき、安心して食べられるグラム陰性菌(酒、パンに関するものを除く)

キユーピー株式会社 奥山洋平
この記事を監修してくれたのは…

キユーピー株式会社
奥山洋平

2001年東京大学大学院 農学生命科学研究科 修士課程修了。
キユーピー株式会社入社後、研究所を中心に、経営企画部、マーケティング部、知的財産部を経て現職(免疫・認知プロジェクト 次長)。2012年社内ビジネスコンペでのテーマ選出を契機に、酢酸菌事業化プロジェクトのリーダーに従事。