アレルギー改善のカギ2つを
唯一どちらも動かせる酢酸菌
酢酸菌は2つの抑制スイッチを
同時に稼働できる
アレルギーを改善するには、免疫細胞に備わる「小抑制スイッチ」と「大抑制スイッチ」の両方を稼働させることが重要です。これら2つのスイッチは、免疫細胞が異物に対して過剰に反応するのを防ぐ役割を担っており、両方が働いていれば、花粉やホコリなどの刺激にも過敏に反応しなくなります。しかし、どちらか一方しか稼働していない場合、免疫細胞が本来無害な花粉やハウスダストなどを病原体と誤認し、アレルギー症状が起こりやすくなります。
一般的にアレルギー改善効果があると知られている乳酸菌やビフィズス菌、納豆菌などは、「小抑制スイッチ」には作用するものの、「大抑制スイッチ」には働きかけることができないとされています。そのため、これらの菌では、軽度の症状の緩和には一定の効果があっても、根本的なアレルギー体質の改善には限界があるのです。
そうした中、注目されているのが酢酸菌です。酢酸菌は、「小抑制スイッチ」と「大抑制スイッチ」の両方を稼働させることができる非常に珍しい菌であり、近年、学会でも高い関心が寄せられています。
酢酸菌が「大抑制スイッチ」に
届く理由とは?
酢酸菌と乳酸菌の大きな違いは、その細胞構造にあります。両者は同じ菌でも、構造が大きく異なるため、体内での作用の仕方も異なります。酢酸菌は「大抑制スイッチ」に届きやすい構造を持っており、より強く免疫細胞に働きかけることができると考えられています。
実は、「大抑制スイッチ」に作用できるのは、酢酸菌だけではありません。他にも、グラム陰性菌と呼ばれる菌の一部には、乳酸菌以上にアレルギー改善が期待できるものがあります。しかし、グラム陰性菌の多くはコレラ菌、赤痢菌、チフス菌など、食中毒や伝染病の原因となるような健康を脅かす有害な菌であり、食品としての利用には大きなリスクがあります。
アレルギー「大抑制スイッチ」を
稼働させるグラム陰性菌
食中毒や伝染病の原因菌ばかり!
飲料や食べ物を通じて伝染する
コレラ菌
汚水などで発生する
赤痢菌
腐った食べ物などから発生する
チフス菌
その中で酢酸菌は、食品として安心して摂取できる唯一のグラム陰性菌として注目を集めています。お酢由来のため安全性が高く、これまではアプローチが難しかった「大抑制スイッチ」にも働きかけることができるため、重度のアレルギー症状に対する新たな可能性が期待されています。
酢酸菌を効率的に摂取する方法として、サプリメントの活用も一つの選択肢です。また、酢酸菌を研究しているキユーピーでは、最新の研究成果も公開しています。気になる方はぜひ「酢酸菌 サプリメント」で検索してみてください。

キユーピー株式会社
奥山洋平
キユーピー株式会社入社後、研究所を中心に、経営企画部、マーケティング部、知的財産部を経て現職(免疫・認知プロジェクト 次長)。2012年社内ビジネスコンペでのテーマ選出を契機に、酢酸菌事業化プロジェクトのリーダーに従事。

